住民クラブの井上さちこです。今日はDVと、景観について、質問させていただきます。
私は先月11月25日、26日に、函館市で開催された、夫婦や恋人など、親密な関係にあるパートナーから暴力にあっている女性たち、DV被害者といいますが、その女性たちを支援する人たちの研究会、「全国シェルターシンポジウム2006inはこだて」に参加し、大きな衝撃を受けました。
とりわけ地方行政を担う一人として大いに触発されたのはシンポジストの一人として発言された鳥取県の片山知事の「住民主体」の政治姿勢でした。 鳥取県は現在ではDV被害者支援の取り組みにおいて、先進県とされています。 取り組みのきっかけについて片山知事が、「申し訳ないのですが、私はDVという言葉さえよく知りませんでした。私がDVについてこのような事実があり、行政的支援の必要性を認識したのは、ある県議が一人のシェルター運営者を伴って知事室にこられたからです。DV被害者の生活の実態の悲惨さを聞き、その重大さに気づき、これはどうにかしなければならないとすぐに対策を打ち出した。」と報告されていたことです。 住民の生活のニーズに即して必要な方策を打ち出していく姿勢。 これは私たちが学ばなければならない姿勢だと思ったのです。
DVとは、夫婦や恋人など、親密な関係にあるパートナーからの暴力をいいますが、暴力には身体的、精神的、経済的、社会的、性的なものを含みます。 DVは、男性が経済的、社会的、体力的に女性よりも優位な立場にあることを背景にして振るわれるものと認識されています。 国連においても平成5年(1993年)に「女性に対する暴力撤廃宣言」が採択され、平成7年(1995年)には世界女性会議で「北京宣言」が採択され、女性に対する暴力は基本的人権の侵害であることが明言されました。 日本においても平成13年(2001年)10月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」、いわゆるドメスティック・バイオレンス防止法、DV防止法が施行されましたが、「3人にひとりの女性が、パートナーからの身体的暴力を体験している」という実態はいまだ続いています。
ところで鳥取県の片山知事が打ち出された施策にはいくつかのものがありました。 1つは、医療費の初診料の負担と、2つ目はシェルター運営費の助成です。シェルターというのはDV被害を受けた女性や子ども達が緊急避難的に暮らす施設です。
DV被害では、20人に1人が殺されるかもしれないという被害を受けています。 当然、整形外科や脳外科、歯科、眼科、内科など、病院に担ぎ込まれることも多いのです。その治療のための初診料を、鳥取県が負担しています。 また、鳥取県のシェルターに、逃げてこられた方たちのシェルター運営費用も、例え他の県の女性でも、預かり料と食費で、1日あたり6,000円を越える負担しています。
2つ目の衝撃は、函館の研究会参加者の中には、DV防止法が始まる前から活動している支援者が多数おられたことです。 自分のお金をシェルターの運営に1,000万円も使ったとおっしゃる方もおられ、このような人々に支えられて何人もの女性たちが自立できたのです。
従来、DV対策は県の仕事として対策が進められてきました。 にもかかわらず、民間のボランティアの人たちが、市や町(ちょう)と一緒になってDVの防止や、シェルターの運営をしています。 前から思っていたのですが、夫からの暴力やこどもの虐待を発見しやすいのは、赤ちゃんの4ヶ月健診や3歳児健診などで、母と子に接する機会が多い、市町村の保健師ではないのか。 このことからDVの防止は、市がもっと主体的に取り組むべきではないのかと、思っていたのです。
鳥取の支援者が言いました。 「井上さん、鳥取県のシェルター入居者の3分の2は広島県の女性たちよ。 それから、女性を助けるんだから、どこがお金を出してもいいんだけど、今は、広島県の女性たちが鳥取県のシェルターで暮らしても、鳥取県の女性たちが広島県のシェルターで暮らしても、どちらも鳥取県がその費用を出しているのよ。 いつまでもこれでいいとは思わないでしょ!」と言われました。 さらに、「わたしのところでも廿日市の方を2人お世話したわ。もちろん、廿日市だけではなくて、福山からも尾道からも、呉からも、大竹からもよ!」と聞いて本当に驚きました。 廿日市でも、表に出ないだけで、必ず被害者がいると思います。
山下市長は、広島県市長会の会長です。ぜひ、広島県と話し合っていただき、広島県の女性たちのシェルター利用料は、広島県で負担するよう、働きかけていただきたいと思います。なぜならばその女性たちもれっきとした納税者だったのですから。
さらに市長、廿日市市の現行の施策で、女性たちの命や子ども達の命を、助けることができますか?施策のより一層の充実が図られるべきではないでしょうか。
繰り返しになりますが、3人に1人がDV被害を体験し、20人に1人が命の危険を感じているという現実は、女性に対する暴力の根絶が必要であることを端的に表わしています。 そのためには、男女平等社会を実現していくことが重要ですが、当面の施策として、現在被害を受けている女性に対する援助を最優先し、そしてどんな内容の援助にするかが大切と思います。 DVの被害は、身体的な暴力による被害だけではなく、多くの種類があるため、援助も多方面にわたります。 短期的な援助の柱は、被害者の安全であり、一時保護施設や民間シェルターへ避難させること。 警察や救急医療による緊急介入や、生活援助もあります。
もし子どもが虐待を受けている場合、子どもの安全保護も必要です。 子どもへの影響については、平成15年(2003年)の内閣府の調査によると、DVのある家庭では、6割の子どもが母親の殴られるのを目撃しており、そのことがトラウマになり攻撃的な言動やうつといった心理的影響を受けています。 次世代を担う子ども達への影響は実に大きなものがあります。
長期的な援助の柱は、DVの根絶、そして暴力の予防策を具体化していくことです。
市役所の窓口担当者や、警察官など、公務員を含む援助者の無理解ゆえに、DV被害を受けた女性が二次的な被害を受けることを避けることも重要です。 これらを踏まえて次の質問をいたします。
----------------------------------------------------- 廿日市市では、「廿日市市男女共同参画プラン」にそって各種の課題に取り組まれているが、特に命に関わる緊急を要する課題として、DV防止施策の充実が望まれます。プランに掲げられた中で環境整備の具体的取り組みについて、3項目の進捗状況を問います。
1項目目 廿日市市男女共同参画プランでは、安心して相談できる窓口の設置として次の2点を掲げているのでその2点について問います。
ア. 相談窓口の市民への広報・周知について 函館市では、国、道、関係団体の協力体制のもと、女性に対する暴力防止パネル展や、相談窓口を紹介するカードの作成や配布を通じ、相談窓口の情報提供をしています。 大阪でも、広報とともに、相談窓口情報カードを配布していますが、配布場所に工夫が見られます。 例えば、妻を大怪我をさせた夫が、病院に付き添ってくることも多いため、医療機関の協力を得て、女性用の着替え室や、女性用トイレなどにそのカードを置いています。 廿日市市では、どのように広報をしているか、どのような工夫をして周知しているか、今後どのように取り組むのか具体的に答え てください。
@[答弁] 「市民への周知について」は 広報、HP、パンフレットを市役所窓口に置くなどしている。情報カードを女性トイレに置くなど今後検討していきたい。 保健センターなどとも連絡を密にし、配布場所を拡大していきたい。 廿日市市市の窓口は「家庭児童相談室」である。昨年は107件の相談があり、内11件がDV関係であった。
イ.女性の相談員による対応など、相談しやすい環境の整備について プランには、このように定められていますが、福祉事務所や母子保健相談事業などに、DV防止にかかる専門的な知識を習得した女性の相談員をおいていますか。 さらに、鳥取県では、通常的に、「ワンストップセンター」といって被害を受けた女性と支援者が市役所を訪れた場合、相談室に女性を入室させて、住民票の交付、生活保護の申請、市営住宅の入居申請、子どもの就学手続き、国民健康保険など一切の関連事務をそこで一括して手続きができます。 それは庁舎の中を動いているときに、加害者である夫に見つかり、命を落とさないようにという配慮が徹底されているからです。 廿日市市ではどうですか? 担当課だけではなく、教育委員会部局や水道事業局など、全ての関連担当課職員への教育訓練の機会を持っていますか。そこをお聞きします。
[答弁] 上記相談員は4月から2名に増員した。両名とも女性である。窓口でワンストップセンターについても調整している。
次に2項目に移ります。 被害者への精神的な援助や自立支援など、安心して生活できるための環境整備や制度の確立について3点問います。 ・ア 被害者保護のための住民基本台帳の閲覧制限についてお聞きします。 夫である加害者が、親族として当然の権利であると主張して、住民基本台帳を閲覧して、女性や子ども達の新しい住所地を探ろうとした場合、どのような手立てでその閲覧を制限しましたか? 具体例があれば答えてください。
・イ 警察・広島県広島こども家庭センターにある、婦人相談所、ここが配偶者暴力相談支援センターとなっていますが、この機関とのの連携強化についてお聞きします。 鳥取県のシェルター運営者の話では、廿日市警察署の対応がいいと高い評価を得ていました。この話を函館の地で聞いて本当に嬉しくおもいました。廿日市市では、実務的に警察や婦人相談所とはどのような連携策をとっていますか? 函館市では、平成13年(2001年)5月に、「女性に対する暴力対策関係機関会議」を設置し、警察を含め28団体で予防から救済までの有機的なサポート体制をとっています。 また関係機関において、被害者への対応が適切に行われるよう『窓口でのDV被害者対応の手引き』を作成・活用しています。 廿日市市の取り組みと今後の方針をお聞きします。
A[答弁] 広島県婦人相談センター、警察、医師会、弁護士会、法務局などとの情報連絡体制を充実させていきたい。また、母子生活福祉支援施設への入所支援を行っていきたい。
・ウ 被害者の自立支援についてお聞きします。 廿日市市男女共同参画プランでは、被害者の自立支援について、どのような方策をプラン化していますか、具体策をお聞かせ下さい。 また相談・一時保護・保護命令申し立て援助についても機能していますか? お聞かせ下さい。
[答弁]「廿日市市男女共同参画懇話会」からの提言を実施していく予定である。
最後の3項目についてお聞きします。 (3) サポートグループ、自助グループなど市民団体活動の把握と支援はどのように進んでいますか? 今後の展開をどのように考えていますか?お答え下さい。
[答弁] 把握については難しい。 県の広島県婦人相談センターと連携し情報を得ていきたい。
2回目 日常的にDVが行われる家庭で育つ子どもは、人生の当初から虐待行為の目撃者となっています。 DVを目撃させて育つことも、児童虐待であると改正児童虐待法にもうたわれています。 このように、ドメスティック・バイオレンスの影響により、心理的に大きな傷つきを抱えたまま育つ過程で、対人関係や自我形成に問題を抱える子どもはとても多いといわれています。 「廿日市市男女共同参画プラン」では、母子保健の施策で対応できるDV防止策について、検討討議されたのでしょうか。 4ヶ月健診や3歳児健診などで、児童虐待やDV被害が認められる、あるいは予測できる場合、どのような対応がなされていますかお答え下さい。
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